日本人と外国人のタイムマネジメント

ベトナムにいると「ベトナム人は時間守らないから困る」という論調をよく聞きますが、これって本当なのかなと思ったので考えてみました。ベトナム人と仲良くしていると、日本人の上司には言わないでね、と前置きした上で「なんで日本人は全然タイムマネジメントできないくせに私たちの1,2分の遅刻を怒るの?」と聞かれたことがあります。どういうことでしょうか。

ある日の帰宅ラッシュ

ある日の17:30のベトナムの風景。皆一斉に会社を飛び出すのでこのありさまです。

日本人のほうが時間を守らない!?

私は上に言ったように、ベトナム人から「日本人は時間守らないよね」とよく言われています。『でも日本人に「日本人もそうですよね」と日本人上司に言っても「なにを言っているんだ」となってしまって話にならない・・・』とも相談されたことがあります。日本人に見られてないのか、信頼して相談してくれることは嬉しいのですが、なかなかうまく答えられません。

実際に私もアポイントの時間に遅刻することが多いので、「確かにそうだよね、すみません」となることが多いです。・・・と書くと私がただ仕事できない人みたいですよね?でも、このアポイントが友人との飲み会だと言うと納得される方も多いのではないでしょうか?「ちょっと仕事が終わらないから、先飲んでて!」のようなことを言ったことがない人はあまりいないのではないでしょうか。

ベトナムの方は就業後に予定を入れている人が多いです。それは家族との団欒だったり、副業だったり、スキルアップのための勉強会だったりと理由は様々です。そういう状況では定時に帰らないと次の予定に影響が出てしまうのです。そういう時に残業タイムに突入するとどうなるでしょう?会議が長引いたり、就業時間間際に上司から仕事を依頼されたり、日本ではよくある光景のような気もするのですが、彼らからすると「就業時間は終わったのになんで帰れないんですか?次があるんですけど」となりますよね。

私も人と会うのが好きだったりするので、よく就業後に予定を入れることがありますが、帰れずに困ることが多々ありました。「日本人は開始時間に数分遅れるとすぐに怒るのに、終了時間は1時間遅れたり、そもそも予定していない事が多いじゃないか」と言われた時の衝撃が今も忘れません。

「仕事」は偉いのか?

上を読んでいて、「当たり前だろ、何甘いことを言っているんだ!」と考える日本人も少なくないと思います。個人的には一緒に仕事をしたくないタイプですが・・・・。

上のケースをちょっと変えてみましょう。例えば社内会議の後に、もう1件取引先との打ち合わせがあったら?重要な接待があったら?時間内に会議を終わらせますよね。接待客を待たせておいて「すみません、社内会議が終わらなくて・・・」という人は少ないのではないでしょうか。

でもこれって何も変わらないと私は思うのです。後ろの予定が家族団らんで合っても、接待であっても、打ち合わせであっても、全て他者との約束は約束。それなのに、後ろが仕事だったら時間を守るけど、後ろがプライベートだったら軽視されてしまう。これが日本人の価値観であり、ベトナム人からタイムマネジメントができないよねと言われてしまっている原因ではないかと思うのです。

日本人と外国人、どっちが時間にルーズなの?

こう書くと、「別に遅れたくて遅れてるわけじゃない。外国人のほうがルーズじゃないか」という批判が届きそうです。でも、時間にルーズと言われている外国人と比べてみるとどうでしょうか?例えばこんなケース。

  • 毎日10時間働いている日本人=毎日2時間時間を守れていない
  • 毎日30分遅れてくる外国人=毎日30分時間を守れていない

こう書くと時間にルーズなのはどっちなんでしょう??外国人が「今日は10分遅れちゃったから、10分長く仕事したよ」と言っても「遅刻は遅刻だ!」と怒られるとかよく聞きますよね。相手がいるアポイントに遅れてしまうのはもちろん良くないことですし、多大な迷惑と損失があります。でも、残業を当たり前に行なっていて、更にそれを他者にも当然と思いやっているとどうでしょうか?私が前に在籍していた会社でも、19時からの打ち合わせなどが平然と設定されていました。打ち合わせを設定している人は、「いつも働いている時間だし、みんないるだろう」と考えているのでしょうが、この打ち合わせに出席するために予定を変更したり、予定に遅刻している人が出ている可能性もあります。そうなると、相手がいるアポイントに遅れてしまう人が何人も出るかもしれません。

結局、どっちがルーズだ、ルーズじゃないという議論をしてもすれ違ってしまうのです。日本人は仕事だけをタイムマネジメント対象にしているのですが、外国人はプライベートも全て含めてタイムマネジメントをしているからです。

全方位タイムマネジメントのススメ

どちらが良い、悪いと善悪で決めるのは難しいのですが、一日全体の時間を管理したほうがより有意義な人生が送れるのではないでしょうか。仕事が好きな方は全部仕事で埋めれば良いと思いますし、そうではない方は就業後はプライベートの予定を入れればいいと思うのです。

私は、今の仕事は好きですし、意義があるとも思っているし、どんどん価値を出したいと思っています。でもこれって仕事という枠組みの中で考えているんですよね。「せっかくベトナムにいるのでもっと沢山遊びに行きたい、沢山の人に会いたい」「せっかく日本に帰ってきたら少しでも多くの友人達と過ごす時間がほしい」「アジアが近いから、週末は他の国で遊びたい」というのも私の素直な気持ちとしてあります。ベトナムに来た理由の一つに、東南アジアの働き方が羨ましい、というのもありました。

1週間は24*7=168時間。この中で睡眠は1日7時間(希望)、通勤、家事、食事などで4時間くらいかかるとすると週に77時間。つまり、私達が活動する時間は週に91時間です。1日8時間労働を5日間で40時間。1日1時間残業したとして45時間。残りの時間が45時間。これでだいたい半分ですね。仕事、友人(コミュニティ)、家族、趣味。これらのバランスを考えるとこのくらいでも良いのではないでしょうか。

全てのプライベートも含めた予定をちゃんと時間管理すれば、ダラダラと残業することもなければ毎日遅くまで働くこともないと思います。それができない場合はそもそもの目標や納期が1日12時間労働を前提にしていたりするのではないでしょうか。こういうケースも多そうですが、もはや社会自体がワーカホリックになっているではないかと思ってしまいます。人を増やして一人あたりの業務量を減らすなどの対応をしないといけないのではないでしょうか。

最後に

夜まで仕事をしているのが当たり前だ!という方も多いと思いますが、他人にはそれを共用しないほうがいいのではないかと思います。最近はベトナム人とのアポイントに遅れるたびに「そんな会社早く辞めたほうが良いよ。日本人の仕事いっぱいあるんでしょ」と言われ、どちらかと言うとプライベート重視の価値観の私は何も言えなくなっています。働き方のダイバーシティも広がっていってほしいのですが、まだまだかかりそうですね。

個人的にはワークライフバランスとかよく聞きますが、そもそもバランスをとらないといけない状況ってどうなんだろう、と思います。「女性のための~」という文脈も同じく、なんか好きになれません。そもそもそう言っている時点で、プライベートを大切にしたい男性や、育児をしたい男性などを排除している気がするからです。ダイバーシティが広がればこんなこともなくなると思うのです。

もっと多様性を認め合い、尊重しあえるような社会にしていきたいです。

※話をわかりやすくするために「日本人」と「外国人」の2項対立としてみました。もちろんこれに当てはまらないケースも多いとは思うのですが、結局はここの考え方の違いなんじゃないかなと思います。

※本当にベトナムの日本人求人は件数は増えていて、待遇もここ1年で良くなっています。年功序列であまり給料の上がっていない若者を想定すると、日本と同じ可処分所得を確保できるのではないでしょうか。マジでお勧めです。

※完全に余談ですが、前の会社でほぼ毎日「予定あり」というスケジュールを19時頃から入れていて、突っ込まれたことがあります。本当に予定があったのでそう説明しましたが。

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