格安エアラインに乗っただけなのに旅行記風に書いてみた

朝六時半、家を出て、近くの店で練乳入りのベトナムコーヒーを注文。携帯でUberを呼ぶとあと10分で来るそうだ。コーヒを飲むにはちょうどよい時間。ベトナムから出る前には思いっきり濃いベトナムコーヒーが飲みたくなる。発音の悪いベトナム語で話していたら韓国語らしき言語で返された

道行くバイクを眺めながらベトナムコーヒー

道行くバイクを眺めながらベトナムコーヒー

携帯の画面を眺めて、車が近づいてくるのを待って移動。車種だけでなく、ナンバープレートの番号まで表示されているからすぐに見つけられる。それでいてタクシーより安いのだから便利だ。

スマホで車が呼べるUber

スマホで車が呼べるUber

英語が少しできるドライバーだったが、ベトナム語で空港と告げて席につく。これからしばらくインターネットに繋がらないから今のうちにメールを確認しておこう。

車で送ってもらっている感覚だ

車で送ってもらっている感覚だ

朝の通勤ラッシュの中、25分ほどで空港に到着。料金は84000ドン。空港入場料の1万ドンを現金で渡したが後で確認するとしっかりと引かれていた。それでもタクシーより安いからチップをあげたことにしよう。

すぐにメールで届いたUberの領収書

すぐにメールで届いたUberの領収書

お腹がすいていたが空港の売店は高いので何も食べずにチェックイン。航空会社はエアアジア。クアラルンプールまで飛んで、乗り継いでホーチミン上空を通過して羽田に向かうという、距離が無駄に長い経路なのだがこれが一番安いから仕方がない。昨晩WEBチェックインした紙にスタンプを押してもらうだけで感熱紙の搭乗券発行もない。乗るたびに手続きが簡略されている気がする。

セキュリティチェックを抜けて搭乗口へ。ゲートから遠い位置にはコンセントがあり、最近は繋がらないこともなく快適なフリーWi-Fiがあるのでパソコンを開く。と、ここで大変なことに気づく。パソコンのアダプターを忘れてきてしまった。安いから、という理由で昨年買ったソニーのvaioに大きな不満はあまりないのだが、充電端子が独自形状で互換品がなく、7980円もする純正アダプターを買わなくてはならない。しかも、vaio事業の分社化に伴いすでに生産中止されていた。どうにか明日届けてくれそうなところを見つけてオーダー。無駄な出費が増えてしまった。ここで昨日友人にもらったウィダーインゼリーを朝食代わりに流し込む。と、ここで気づいたのだが、完全に液体物なのにセキュリティチェックをパスしてしまったようだ。ベトナムの空港、大丈夫か?

これから乗る機体、エアアジア。

これから乗る機体、エアアジア。

しばらく作業をしていると搭乗開始のアナウンスが流れてきたので、スーツケースからジャケットを取り出して搭乗。今の季節なら日本もまだまだ暑いのだが、エアアジアは機内が寒いので上着が必須だ。飛行機はA320-200とLCCとして多く使われている通路の両脇に3列シートが並ぶ機体でほぼ満員だった。

Wi-Fi freeが気になる

Wi-Fi freeが気になる

機内に入ると何やら欧米人二人組が乗務員と揉めている。どうやら、座席指定をしておらず、並んで座れなかったようだ。結局その二人は前後斜めの席に座っていた。LCCの座席指定は有料なので僕も指定しないことが多いのだが、複数人で行く時は指定しないとこういうことになる。2年半前にオーストラリアから成田へジェットスターに乗った時に座席指定をせずに同行者とかなり遠く離れてしまったことを思い出した。近くの席、更に言うと隣も空いていたのだが、客室乗務員はシステムか重量バランスを考えて席を指定しているので、指定された席以外には絶対に座らせないとのことで諦めざるを得なかった。よくよく考えれば、各乗客の体重などもわからずに席を指定しているのでそこまで細かく重量バランスが大事なはずはないのだが、次回以降席の指定をさせるようにしているのかもしれない。

意外と綺麗なエアアジア機内

意外と綺麗なエアアジア機内

そんなことを考えているうちに期待は滑走を開始してスムーズに上昇を始めた。隣の席にはガタイの良いスキンヘッドの欧米人男性がいるのだが、神に祈るようなしぐさをしながら落ち着かない様子だった。着陸時もそうだったので、飛行機が怖いのかもしれない。人は見かけによらないものだ。

徹夜明けなので寝ようとするのだがなかなか寝れずに、諦めて本を読むことにする。しばらくすると気持ち悪くなってきて、どうやら飛行機酔いをしているようだ。空腹感と吐き気の中で、朝何も食べなかったことを後悔しながらメニューと財布の確認。財布には5リンギットが入ってたのでその値段のメニューを探すとクッキーなど喉が乾きそうなものばかりだったのでテ・タリ(マレーシアでよくある、濃く煮出したミルクティー)を注文。その場でお湯を注ぐインスタントだ。到着まで1時間強、テ・タリをちびちび飲みながら吐き気を抑えつつ読書タイム。

5リンギットのインスタント「テ・タリ」

5リンギットのインスタント「テ・タリ」

クアラルンプールは霧に覆われていた。ヘイズと言ってインドネシアの焼畑農業の影響らしい。KLIA2は相変わらず巨大で、滑走路からブリッジまでのタキシングは短いのだぎ降りてから通路を10分以上歩く必要がある。しかも、トランジットの窓口からターミナルまでは更に長い道のりである。ターミナルは大きく2つのエリアにわかれているので、搭乗口を確認してから更にひたすら歩く。クアラルンプールのLCC専用ターミナルは数年前まではLCCTと言って飛行機からはタラップを降りて徒歩で移動する倉庫のような建物が使われていたのだが、今ではKLIA2という名前になり、市内への特急も乗り入れる立派なターミナルになった。

KLIA2内のフードコート

KLIA2内のフードコート

フードコートを見つけて、マレーシア料理らしき麺を注文。やはりここは空港、17.90RMと決して安くはないがこれが結構うまかった。

17.9リンギットもする麺。美味しかった。

17.9リンギットもする麺。美味しかった。

食事のあとは搭乗口付近のカフェにでも行こうと搭乗口へ。途中、2回目のセキュリティチェックを通過。後ろにいたマレーシア人女性はペットボトルが引っかかっていた。まさかセキュリティチェックか複数回あるとは思っていなかったのだろう。ちなみに、その奥にはカフェらしいカフェはなく、カードが使えない店も多かった。リンギットを機内で使い果たしていたので、カードが使えるパン屋さんでパンとコーヒーを購入して空いているソファーで食べる。16.20RM。これも安くない。エアアジア機内と変わらない値段設定だ。しかも、セキュリティチェックの先ではペットボトル飲料の販売が禁止されているとのことでドリンクは全て紙コップ。エアアジア機内への持ち込みを防いで機内で購入させたいという思惑が透けて見える。こんなところにもLCCターミナルの独自性があったのか。

パンとコーヒー、16.2リンギット。

パンとコーヒー、16.2リンギット。

ここにはコンセントもあるのだが、ユニバーサルタイプではなくマレーシア国内形状なので充電はできなかった。世界中から旅行者が集まる空港なので各種プラグに対応していると思っていたのだが、これは意外なポイント。エアアジアでクアラルンプールトランジットをするときは変換アダプターがあると便利だろう。

綺麗で広い待合スペース

綺麗で広い待合スペース

椅子は横になれないよう、人と人との間が盛り上がっている。5月にインド・スリランカからの帰り道、プノンペン行きの飛行機を夜通し待っていたことを思い出した。その時は、開いているカフェを探してかなり歩き回った。搭乗口の隣にある待合スペースの椅子は横になれないように一人ひとりのスペースに段がついており、コンセントの数も非常に少なく、更に言うとテーブルの有るカフェも殆ど無く、「溜まる」事ができないように設計されている。空港で夜を明かしてはいけない、そんなメッセージも感じられるほどに居場所がなかった。そうやってこの綺麗さを維持しているのかもしれない。

クアラルンプール-羽田便は半分以上が日本人のようで、日本人にもLCCが定着しつつあるのかもしれない。特に、1月にバンコク-成田便に乗った時は周りがほぼタイ人だったことを考えると日本人が多すぎて驚くほど。機体はA330-300、通路が二列あり、横9列のLCCとしては大型の機体だ。それでもパッと見た感じで8割ほどの席が埋まっており、高い稼働率なのがよくわかる。定刻を30分ほど遅れての出発となった。この程度と遅延であれば全く気にならない。ひどい時は2、3時間の遅延なんていう事もある。と言ってもそれはLCCだけでなく、中国の国営航空会社でもよくあることではあるが。遅延ならまだいいものの、最悪なのが欠航だ。欠航になってしまうと振替の便がいつになるかわからない。無い場合すらあるのだ。

羽田行きのエアアジアX

羽田行きのエアアジアX

昨年ベトナムのホーチミンからハノイまでジェットスターで移動した時、乗る予定の便が欠航になり、4時間後の便に振り替えられることがあった。その時はスーツを着ており、ハノイで予定があるからどうにか早い便は空いてないのかと聞くと別室に通され、数人だけがなんと1時間後のベトナム航空便に振り替えとなった。もちろん費用はかからず、全額ジェットスター持ちだ。同じ振り返られた面々をみると全身スーツのビジネスマンや、身なりの良いフランス人老夫婦だった。それ以来、機内が寒いという理由だけでなく飛行機にチェックインするときには服装にある程度気をつけるようにしている。ちなみに、数日後のニュースで当時の遅延の原因が航空会社ではなく管制塔の電気トラブルだったことを知り、ベトナム航空便も遅れていたのに振替ができたことには驚いた。もちろん、機内食もベトナム国内便なのでお世辞にもオイシイとはいえないものなのだがく頂いた。

7時間の飛行機は長く、退屈だった。長距離路線のエアアジアXということもあり、シートはホーチミン-クアラルンプール便の膝が前の椅子にくっついてしまうような窮屈さはなく広くなっているもののもちろん機内娯楽はない。徹夜明けなのですんなり寝れると思っていたのだがなかなか寝れず、寝て起きて時計を見たらまだ1時間少々しか経過していなかったのには参った。まだ1/7とは、先が長い。気を取り直して、文字通り頑張って寝ようと必死に寝る。次起きたら出発から3時間が経過していた。

クアラルンプール-羽田便

クアラルンプール-羽田便

バッチリ目が冴えてしまったのでさっきの便で半分まで読んだ本を読む。この文庫本一冊しか持ち込んでいなかったので1時間もせずに読み終わり、また暇な時間がやってきてしまった。暇つぶしに機内販売のメニューを眺めてみると、先ほどの瓶と母売価格が違うことに気がついた。テ・タリ(もちろんインスタントだが)が先程は5リンギットだったのにこの便では7リンギットもするのだった。それでも客室乗務員が常に通路を熱心に販売活動に勤しみ、それに応えるようにポツポツと売れていっていた。トイレに立った時もストレッチをしながら順番待ちをしていると、隣では乗務員がせわしなくインスタントコーヒーにお湯を注ぎ、カップ麺にお湯を注いでいた。ゴミ箱のトロリーを出し入れするなど、常に動き回っていて専用の椅子に座っている大手キャリアの乗務員に比べると忙しすぎると思うほどに動いていた。

隣りに座っている日本人はインドネシアから日本に向かっているのか、ジャカルタ新聞(現地で発行されている日本語新聞)を読んだり、Macに向かって仕事をしている。それに比べて僕はというと、本は読み終わってしまい、パソコンは充電ができないからケーブルが届くまでできるだけ電池を使いたくない。機内モードに設定したスマートフォンを取り出して文章を書いてみるもそう長くは続かない。つまり、寝るしかないのだった。結局何度も寝たり起きたり書いたりを繰り返しているうちに、シートベルトサインが点灯した。ちなみに、そうして書いた文章が今あなたが読んでいるこの記事である。

しばらくすると真っ暗な房総半島上空を通過して、横浜の観覧車が見えてきた。いよいよ東京だ。気温22度とこの時期では普通のはずなのだが南国から来ると寒くさえ感じる羽田空港のA滑走路に定刻15分遅れて着陸した。羽田空港国際線ターミナルのブリッジは最近拡張されたのだが、その拡張の先に飛行機が止まった。ここからだと入国審査までかなり歩かなくてはならない。やはり首都の中心にある空港ではLCCは隅に追いやられる存在なのだろう。通路は人で溢れ、入国審査や税関も長蛇の列で受託手荷物がないのにもかかわらず結局外に出たのは着陸してから30分後の事だった。

京急羽田空港国際線ターミナル駅

京急羽田空港国際線ターミナル駅

遅い時間につくと心配なのが終電だ。空港内でラーメンでも食べて帰ろうと思っていたのだが、終電が迫っているのでまず最寄り駅まで行くことにした。やはり東南アジアに比べると寒い。ジャケットを持ってきて正解だった。

夜11時過ぎだというのに通勤客で賑わう京急品川駅

夜11時過ぎだというのに通勤客で賑わう京急品川駅

京急、都営浅草線、都営新宿線と乗り換え、しかもこの時間だと接続も悪く結局駅についたのは0時半を過ぎていた。住宅街の深夜でもお店が開いているのが日本の素晴らしいところで、とても美味しいラーメンを頂き、一時過ぎに家についた。もうホーチミンの自宅を出てから17時間もたったことだった。

旅の最後を締める濃厚で美味しいラーメン

旅の最後を締める濃厚で美味しいラーメン

次回に続・・・きません。
明日からは旅人ではなく普通に仕事。ちなみにこんな文章を書いたのは完全に機内で読んでいた下川裕治さんの「格安エアラインで世界一周 (新潮文庫)」に影響されたから、というのと、本当に機内が暇だったからです。笑

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