先日友人との会話で話題になったのが、
現在の日本は鎖国状態
だということ。
これからの時代を切り開いていくためには開国していくことが重要なのではないか、
そんな話をしてきました。
え、十分日本はグローバル化しているし鎖国?って思う方もいるかもしれませんが、どういうことなのかお話していきます。
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鎖国状態の日本
タイトルで思わず言い切ってしまいました、鎖国状態。
どうして鎖国といえるのでしょうか、ここでは3つの理由を紹介します。
どの理由も、全てが悪いと言うつもりはありません。
実際、鎖国をしていた江戸時代には歌舞伎などの世界有数の大衆文化が花開き、とても平和で安全な時代だったと言われています。
しかし、それでも、鎖国を辞めて開国した後の日本の成長は皆さんの知るとおりであり、今の時代に参考にできることもたくさんあるでしょう。
鎖国の理由1: 世界からの移民を受け入れていない
まず一つ目が世界からの移民を受け入れていないというところ。
これはニュースなどでも広く議論されているのですが、日本では外国人を労働者としてあまり受け入れていません。
コンビニや工場では実際に外国人労働者が増えているのですが、彼らは学生や技能実習生という立場で日本にやってきており、その立場は期間限定で就労にもものすごく制限がついています。
例えば、学生ビザで日本に滞在している外国人は週28時間までしか働けません。
もちろん、学業に専念するために来ているためです。
技能実習生として日本に滞在している外国人は、来日前に決められた会社から原則的に変わることができず、製造業などの一部業種に制限されており、これも3年で帰国しなければならないので幹部候補にはなりえません。
むしろ、単純労働を低賃金でさせられていて、母国で活かせる技能が身につかないケースのほうが多いのではないでしょうか。
日本で働くためには、原則として日本人では難しい高度な技能を身につけている証明をする必要があります。
例えば、通訳や、料理人などです。
インド料理の料理人は、日本人ではできない「インド料理の調理」をしているのでビザが下りやすく、インド料理や中華料理が多いのはこんな理由もあります。
ただ、日本は十分に成熟した先進国のはずです。
単純労働者を始めとして、工場の作業員、お手伝いさん、工事作業員など、より安い賃金で働く外国人労働者受け入れる事により、日本人がより高い賃金の仕事につくようにすることができるはずです。
もちろん、最低賃金は守るべきですが、雇用を増やし、付加価値の低い仕事を外国人に担当してもらい、より付加価値の高い仕事を自国民(と高度な外国人人材)が行うのが先進国としての人材活用のあり方ではないでしょうか。
人口減少が続く日本において、生産人口が増えるのは間違いなく経済活性化に繋がります。
その中で、日本人が高い付加価値の仕事をし続けること。
これは間違いなく日本が発展するために必要なことではないでしょうか。
鎖国の理由2: 日本人が外に出ていかない
先程は日本に外国人がやってこない話をしました。
次は、日本人が外に出ていかないという話です。
明治維新前の日本では「薩摩スチューデント」として、薩摩藩が英国に学生を派遣して、先進国の文化、技術、人脈を持ち帰りました。
その後の明治維新以降の日本の躍進は、ここで語るまでもないでしょう。
現在のアジア新興国や中国の富裕層も、こぞって子供を留学させています。
アジアの新興国では、政府の高官に自国の大学を卒業したものがいない、といったこともあります。
これは、世界最高の教育を受けるためには、外に出ないといけないという理由もあります。
日本も高度経済成長の頃は今よりももっともっと留学が盛んだったはずです。
それも、語学留学ではなく、しっかりと世界最先端の学問を学ぶための留学。
日本が経済大国になり、世界最先端の教育は日本で受けられるようになりました。
では、もう外に学びに行く必要はないのでは?と思う方もいるかもしれません。
しかし、このグローバルな時代、何事においても日本が完璧なんてことはありえないですし、
実際に私が住んでいる東南アジアからも学べることたくさんあると思います。
なにより、日本と日本以外のことをしっかりと知らなければ、日本の外で売上を上げていくことはできないはずです。
日本の人口は減っていき、今までよりも物が売れないのは明らかなので。。
鎖国の理由3: 日本独自の文化(ガラパゴス)が多すぎる
最後の理由、それは日本はガラパゴスな部分が多いということ。
もちろん一部は日本固有の文化として残していくべきものもあると思いますし、それを否定するつもりは一切ありません。
しかし、AirBnB、Uber、SIMフリー、モバイル決済・・・このような分野は日本が世界の潮流とは全く違う流れで動いていると思います。
それも、既存の産業、既得権益を守る形で、新しい文化・製品・サービスが入ってこれないようになっています。
この世界は既存のものに置き換わる新しいサービスを導入することによって進化し続け、より効率的で豊かな社会になっていきます。
馬車が自動車になり、フィルムカメラはデジタルカメラになりました。
馬の調教師も、街の現像屋さんもいなくなってしまいました。
でも、それを上回るほど大きな自動車産業やデジタル産業があるのではないでしょうか。
世界が便利になり、効率的になる。
そのことによって、他のことに使える時間が生まれて、さらに新しいサービスができ、より豊かな生活ができる。
または、今までのサービスがより安価に受けられるようになる。
その過程には既存の産業がなくなることも多くあるでしょう。
日本は民主主義を標榜しています。
消費者が自ら自分が良いと思ったサービスを使う。
これも、民主主義のあるべき姿だと思います。
その結果、馬車やフイルムカメラはほぼ姿を消しました。
でも、その時代に戻りたい人がどのくらいいるでしょうか?
世界では、そのような変化がたくさん起きています。
中国の都市部では、現金は使われなくなり、スマホ1つで個人商店から大型店まで決済されるようになりました。
契約書もPDFが当たり前になってきて、メールで添付して終了です。
シンガポールの地下鉄は運転手不在の自動運転で動いています。
世界中どこにいってもUber一つで安心安全で安価な車に乗れて、しかも現金での支払いも必要ありません。
いまだにFAXを使っているのは世界でも日本くらいです。
日本から一歩も出なければ、世界の変化に気づくことは難しくなります。
いろいろなものが20世紀のまま止まっていて、世界で生まれている新しい新サービスをことごとく規制する現代の日本は、鎖国しつつも世界の最新技術を取り入れていた江戸時代よりも閉鎖的といえるのではないでしょうか。
開国後の世界のためにできること
そんな「鎖国」を続けている日本といえども、いつか必ず「黒船」がやってきます。
それは、少子高齢化による労働人口減少だったり、市場の縮小だったり、または外国政府からの圧力かもしれません。
日本の規制を壊そうという現代の「倒幕運動」も増えてくるでしょう。
外に出ることは日本からの逃げではありません。
未来の日本のためなのです。
明治維新後の世界を作った「長州ファイブ」「薩摩スチューデント」
江戸時代も終わりかけの1863年。
5名の薩摩藩士が英国に密航しました。その2年後の1865年には19名の薩摩藩士も英国へ。
当時、英国までは数カ月の航海で、とても大きな費用が必要でした。
目的は、当時世界最先端だった英国で学問を学ぶためで、UCL(ユニバーシティー・カレッジ・ロンドン)の聴講生となりました。
(写真は鹿児島中央駅前の「若き薩摩の群像」という、薩摩スチューデントの像。)
当時は幕府により外国への渡航が禁止されていたので、彼らは日本の法に背いて密出国したことになります。
藩と幕府の対立があったにせよ、地方政府が国の規則に背いて送り出したというのは並々ならぬ危機感があったのではないでしょうか。
そしの後の1868年。
江戸幕府が倒れ、明治時代が始まりました。
幕府の渡航禁止令に背いて英国に渡った、伊藤博文、井上馨、畠山義成という者たちが、外国での学び、人脈を元に新しい日本を作ることになったのです。
その後の彼らの活躍は、歴史の教科書でも習ったとおり、素晴らしいものがあります。
若者よ、外に出よう
決死の覚悟で世界に渡った彼らのことを考えると、今の時代は
- 渡航禁止どころか、世界中に自由に行ける日本のパスポートがある
- 飛行機に乗ればどこへでも数時間でひとっ飛び
- 世界のどこにいてもインターネットでリアルタイムにコミュニケーションが可能
- 主要都市であれば日本人の求人があり、働くこともできる
- マイルを貯めればタダで飛行機に乗ることもできる
と、今すぐに海外に簡単に行ける状態。
しかし、海外に出ていく日本人はそう多くはありません。
このまま日本が「鎖国」状態を続けていけるとは思えないですし、必ず誰かが「開国」させようとするはずです。
驚くほどの速さで進んでいるグローバル化も避けられそうもありません。
海外に出ていく日本人は多くはないため、海外での経験は希少価値になります。
そうです、今こそ、海外に出て、日本と現地の違いを身をもって体験し、学べるところを学ぶときなのです。
海外で生活してきた日本人が、新しい日本の救世主になる。
そんな世界も遠くないと思っています。
まとめ
日本を出る、というとものすごく大きなことに感じたり、大成功しないといけないと思う方も多いかもしれません。
しかし、私はどんな形でもいいと思っています。
様々な海外渡航の体験談が増えることで、沢山の人がそれぞれのスタイルで世界に飛び出していき、いつかは日本に還元する。
そんな時代の先鋒を駆ける、なんてカッコよくないですか?
マイルを貯めれば、タダですぐに飛べますしね。