【完全保存2019年版】フリーランスの税金・保険・年金の情報をまとめました

フリーランス(個人事業主)を始める時に気になるのが税金。

会社に努めていた時は天引きされていたのであまり気にしていない方も多かったと思いますが、フリーランスでは自分で計算しなければなりません。

税金や年金って給料明細にかかれているけどよくわからないという会社員の方も、これから自分で計算していかなければいけないフリーランスの方も、この記事を読めば計算方法、そして金額がわかるように詳しく解説します。

サクッと読める目次

健康保険

皆さんは保険証を持っていますよね?

日本は「国民皆保険」の国なので、日本に住んでいる人は全員保険証を持っているはずです。

病院に行った時に保険証を出すことによって、実際に掛かる金額の3割だけ払えば良い、というのが日本の保険制度です。

フリーランスの場合

フリーランスや無職の場合は国民健康保険に入る必要があります。

収入や扶養により保険料は異なり、市区町村によっても少し金額が異なります。

参考として、年収200万円だと月2万円くらい、年収400万円だと月3万5000円くらいでしょうか。

加入窓口は市区町村役所で、相談に行けば手続きを教えてくれます。

※扶養とは、簡単に言うと親、配偶者、子供などを養っている人数です。

または、「文芸美術国民健康保険組合」などフリーランスの方でも加入可能な健康保険組合もあります。

こちらは、実際の業務内容や加入団体など、加入に当たってクリアしなければならない要件があるので、開業して数年経ってから考えてみると良いでしょう。

会社員の場合

会社や企業グループによって保険組合がある場合があります。

例えばITベンチャーに多いのは「関東ITソフトウェア健康保険組合」

加入する健康保険組合は会社が決めているので従業員が自由に選ぶことはできません。

その健康保険組合が指定する保険料を支払うことになります。

払えない場合どうしたらいいのか

収入が少なくて払えない!払うのが辛い!ときは2つの方法があります。

  1. 親などの扶養に入る
  2. 減額を申請する

親などの扶養に入る場合

一緒に住んでいて仕事についている家族がいる場合は、その家族の扶養に入ることができます。

この場合、出費はゼロです。

働いていない学生時代は親の扶養に入っていることがほとんどです。

手続きや条件は、その家族の健康保険組合によりますので、人事部などに聞いてもらうようにしましょう。

目安としては、所得が100万円以下の場合は扶養にしてもらえるケースが多いと思います。

減額の申請をする場合

災害により被災した場合や、収入が少なく困窮している場合、生活保護を受けている場合は減額の申請ができます。

所得を証明する書類を持って市役所の窓口に行き、相談してみてください。

3割減、5割減などがあります。

目安としては、所得が80万円以下の場合は減額が通るようです。

年金

皆さんご存知の年金。

日本の年金制度は「3階建て」と言われています。

もちろん、加入する年金が多ければ多いほど、老後に貰える額は増えますが、現役時代に支払う額(年金保険料と呼びます)も増えます。

1階部分:「国民年金」

国民年金は全ての方が加入必須となる年金です。

2階部分:「厚生年金」

厚生年金は企業に努めている方が加入必須となる年金です。

3階部分:その他

その他には、確定拠出年金や企業年金などがあります。

加入は任意で、実際に加入している人は多くはありません。

企業年金として企業が退職金などと合わせて独自に積み立てる場合もあれば、将来の蓄えを国の年金制度の枠組み内で増やしたい方が加入する場合もあります。

フリーランスの場合

基本的には国民年金のみに加入します。

毎月の保険料は、平成29年は月1万6490円です。

確定拠出年金に加入することもできます。フリーランスには退職金がないため、稼ぎが大きくなって、将来の蓄えを考える方は加入するのも良いでしょう。フリーランスの老後資金のjyユンビ方法は他にも様々な方法がありますので、別の機会に紹介します。

会社員の場合

会社員の場合は国民年金に加えて厚生年金に加入します。

毎月の保険料は収入によって異なりますが、国民年金よりは高額になります。

もちろん、3階部分の年金への加入も行えます。

所得税・住民税

所得税は、日本では累進課税が採用されており、税率は5%~45%。住民税は、一律で10%となっているのですが、計算がややこしいのがこの所得税。

逆にいうと、しっかりと理解することで正しく節税できる部分がここです。

「課税所得」とは

所得税と住民税は課税所得に対して課税されます。

課税所得は、以下の式により計算されます。

課税所得 = 利益 - 所得控除 = 売上 - 経費 - 所得控除

売上と経費はここでは説明しません。会計ソフトに入力している数値そのものです。

その利益から、さらに所得控除と呼ばれる金額を控除した額が、課税所得となります。

「所得控除」とは

所得控除は数種類あるのですが、開業したてのフリーランス及び会社員に関係のあるものを紹介します。

基礎控除[全員]

基礎控除は、全員が受けられる控除額で、38万円です。

社会保険料控除 [ほぼ全員(※1)]

社会保険(年金・健康保険など)を支払っている方が受けられる控除で、支払った額と同額。

(※1) 年金も健康保険も免除されている方は支払額 = 控除額 = ゼロになるため「ほぼ」と記載

青色申告特別控除[青色申告を行う個人事業主]

青色申告を行っている個人事業主が受けられる控除で、65万円。

事前に、青色申告承認申請書を提出している必要があります。

給与所得控除[給与所得のある会社員]

給与所得のある方は、その金額に応じて65万円~220万円。

生命保険料控除 [生命保険加入者]

生命保険に加入している方はその支払った保険料の一部が控除されます。

保険の種類により控除額が異なりますので、保険の営業の方に聞いて教えてもらいましょう。

配偶者控除・扶養控除等

収入が一定金額以下の配偶者や扶養がいる場合に一人あたり38万円。

※家族に障害者がいる場合などは、控除額が増えます。

年金・保険・所得税額の計算例

それでは、一人暮らし(扶養・配偶者無)で売上が600万円、経費を引いた利益が400万円だった個人事業主Aさんの年金・保険・所得税額を計算してみましょう。

Aさんは国民健康保険に加入しており、青色申告を行い、生命保険には加入していません。

年金保険料

国民健康保険なので、月額1万6490円です。

197,880円 (月額1万6490円)

健康保険料

市区町村により異なるため、ここではざっくりと想定。

400,000円

住民税・所得税

ひとつずつ、計算していきましょう。

課税所得

Aさんは基礎控除、青色申告特別控除、社会保険料控除が控除されますが、生命保険料控除や配偶者控除、扶養控除の対象ではありません。

課税所得 = 4,000,000円 - ( [基礎控除:380,000円] + [青色申告特別控除:650,000円] + 社会保険料控除:597,880円]) = 2,372,120円

所得税

所得税は5~45%の累進課税であり、課税所得2,372,120円に対する税率は10%なので、

2,372,120円 * 10%(※2) = 237,212円

住民税

こちらは一律10%。

2,372,120円 * 10% = 237,212円

気になる手取り額は?

税金・保険料が計算できましたので、手取り額を計算してみたいと思います。

今までの計算結果のまとめは以下の通り。

  • 収入: 4,000,000円
  • 年金: 197,880円
  • 健康保険: 400,000円
  • 所得税: 237,212円
  • 住民税: 237,212円

なので、手取り額は、

【4,000,000 - 197,880 - 400,000 - 237,212 - 237,212】円

つまり、2,927,696円となります。

逆にいうと、100万円強の金額を税金や保険料として支払う必要があるのです。

えっ、高くないですか!?と思った方もいるかもしれませんが、会社員の方はこれらを全て会社が控除して支払っていて、気づかなかっただけなのです。

もっと稼いでいる人、年収が高い人はさらに高い所得税率を納税しています。

※給料明細を見れば全て書かれているはずです

まとめ

税金はこの国のため、保険料は将来やいざという時のために必要なものなのできちんと収入がある方は払わなければなりません。

Aさんの場合は、売上が600万円でしたが、経費(200万円)と社会保険料や税金を引くと手取りは半分でした。

売上と利益、そして、手取りという3つの金額を混同してしまうと資金計画が大変になってしまいますので、しっかりと考えていきましょう。

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