香港オフショア保険で「損した」「騙された」「詐欺だ」となるケースの見分け方とその対策

香港オフショア保険は私自身素晴らしい商品だと思っているのですが、ネット上の記事を見ていると「損した」「騙された」「詐欺だ」という声を見かけます。

私は実際に香港の保険を複数口保有しており、失敗したな、と思うことも過去に経験してきました。
また、香港の金融機関に知り合いがいるので、その複雑な状況について徹底的に調べ、教えてもらいました。

インターネット場の情報を見ているとともすれば「騙された」という消費者の記事と「絶対に儲かる」という業者の記事ばかりではないかと思ってしまうほどなのですが、
実際に投資を行う中で感じている内容や、香港で見聞きする内容はそれとはかなり違っています。
そもそも、香港や欧米で上場しているしっかりした保険会社ですから、良い商品のほうが数としては多いのです。

では、なぜ「失敗した・・・」というケースが減らないのかを解説します。

※そんなことよりも今契約しているものや、勧誘されている商品について意見がほしい!という方はこちらから気軽に連絡してください。

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オフショア保険が怪しいと思われている理由

海外の保険と聞くと、なんとなく怪しいと思う方は多いと思います。
その理由は、大きく以下の2つではないかと思います。

契約者のことを考えない悪徳業者が多い

オフショア保険、オフショア投資(不動産を含む)業界では契約者の目線ではなく、紹介報酬というコミッションをいかに高めるかという目線で紹介業を行っている方を散見します。
そして、そのような業者の言うことを信じで購入し、ましてや途中解約・減額なんてしたものなら投資金額はマイナスになります。
そうして、「オフショア保険は詐欺だ」「怪しい」「騙された」という情報が出回ります。

実は私もオフショア投資では複数の保険商品を契約しており、プラスになっている商品もあれば、10%以上のマイナスになっている商品もあります。
マイナスの出ている商品は知識や経験の浅かった頃に契約したものであり、その商品のリスクを認識せずに提示された「想定利回り」を信じてしまったためでした。
実際には、その利回りが得られるどころか、マイナスになっています。

なお、金融の業界ではこの種の業者はとても多く、正しい情報を見分ける力が必要になってきます。

最近は影響力のあるブロガー・インフルエンサーの方々がFXやオートFXを推奨する記事を書いているようですが、実はそのブログから登録すれば数千円(~数万円)というアフィリエイト(紹介)報酬目当ての記事ばかりであり、嘘の投資報告、収益報告がとても多く出回っているように思えます。画面上の収支データはいくらでも改ざんすることができますし、何よりそんなにもすぐに皆が儲かっているのであればもっと有名になっているはずです。

しかも、怪しい人ほど「信頼できる見た目」を装うのがうまいんですよね・・・。

日本では「公式」情報が存在しない

海外オフショア保険は、日本での"販売(営業活動)"が認可されておりません。
ですので、新聞やテレビでそれらの正しい情報が出回ることはほぼありません。

では、違法なのかというと、現行法上は日本に居住している人による契約は「限りなく合法に近いグレー」であり、実際に逮捕・指導されたということは一切ありません。

※保険会社による「販売」は違法行為となりますが、契約者が香港等に出向いて行う契約は違法ではない、ということです。また、最近では日本にいながらにして契約できる方法ができています。

日本市場は配車アプリのUber・Grab社やAirbnbに対する規制を見れば明らかのように、世界では既に標準となっているサービスを頑なに国内に入れずに、国内企業を保護する風潮があります。
金融業界にもこれは当てはまり、香港証券取引所に上場する世界では十分認められた会社であっても、日本企業を保護するために、参入を遮断しているのです。

では、私達日本人は日本に生まれたから、日本に住んでいるからという理由で運用成績が悪く返戻金(利回り)の少ない日本の保険会社しか契約してはいけないのでしょうか?
もしそんなことをしていれば、日本に住んでいるという理由だけで世界の金融から閉め出され、お金を増やせない日々を送るしか無くなってしまいます。

自分の人生、資産は自分で守っていく時代です。
世界に認められ、世界中の方々が利用している素晴らしいサービスはどんどん取り入れていきましょう。

コミッション目当ての業者と取引せず、正しくオフショア保険を契約する方法

契約者のことを考えずに、コミッション目当ての業者とは契約をするのは避けましょう。

コミッション目当ての怪しい業者を避ける

以下のようなセリフやそのような業者がよく使う言葉ですので、オフショア保険の契約を検討する際に聞こえてきたら注意してください。

悪徳業者よく言い"注意すべき"一言
    • 20年以上の積立を行わないといけない
       → 実際は一括払いや、2年間の積立等が可能です。
    • 毎月5万円は積み立てないといけない
       → 実際は250ドルほどから積立可能です。
    • もしお金が厳しくなったら減額すれば良いから大きい金額のほうが良い
       → 減額をしたらリターンが減り、最悪マイナスになります。
    • 最初の○年だけ支払えば、そこから止めても良い
       → 支払いを中止したらリターンがマイナスとなります。

これらは、全て「そんなことない!」ので、こういう事を言うような業者とは契約しないようにしましょう。

実は香港の保険業界にも良い商品、悪い商品が当然のようにあり、他の業界同様に売れない商品ほど紹介報酬(コミッション)が大きいです。また、契約金額・期間が大きければ大きいほど、コミッションが大きくなります。
そのような仕組みのため、自らの利益だけを考える業者は「より高い金額で」「より長い期間」積立契約を結ぼうとするのです。

もちろん、老後の資金は多ければ多いほうが安心ですし、金額が多くなるとその分だけボーナス(上乗せ金額)もつくので、余剰資金が十分にある場合は大きな金額を契約したほうが契約者にとっても得です。
しかし「途中で減額する前提」「支払えるかギリギリの金額」「ライフスタイルの変化を考えていない」など、身の丈に会わない金額で契約を行うと結果的に減額や払い止め、途中解約を行うこととなり、それは確実に損をすることになります。

FPの倫理規定「顧客本位の業務運営に関する原則」に沿った人かどうか見極める

私も国家資格である2級ファイナンシャル・プランニング技能士を保有しているFP(ファイナンシャルプランナー)の端くれではありますが、FPには明確な倫理規定があります。

FPを含む全金融事業者あてに金融庁が公表した「顧客本位の業務運営に関する原則」には以下のように書かれています。

【顧客本位の業務運営に関する方針の策定・公表等】
原則1.金融事業者は、顧客本位の業務運営を実現するための明確な方針を策定・
公表するとともに、当該方針に係る取組状況を定期的に公表すべきである。当該
方針は、より良い業務運営を実現するため、定期的に見直されるべきである。

【顧客の最善の利益の追求】
原則2.金融事業者は、高度の専門性と職業倫理を保持し、顧客に対して誠実・公
正に業務を行い、顧客の最善の利益を図るべきである。金融事業者は、こうした
業務運営が企業文化として定着するよう努めるべきである。

【利益相反の適切な管理】
原則3.金融事業者は、取引における顧客との利益相反の可能性について正確に把
握し、利益相反の可能性がある場合には、当該利益相反を適切に管理すべきであ
る。金融事業者は、そのための具体的な対応方針をあらかじめ策定すべきである。

【手数料等の明確化】
原則4.金融事業者は、名目を問わず、顧客が負担する手数料その他の費用の詳細
を、当該手数料等がどのようなサービスの対価に関するものかを含め、顧客が理
解できるよう情報提供すべきである。

【重要な情報の分かりやすい提供】
原則5.金融事業者は、顧客との情報の非対称性があることを踏まえ、上記原則4
に示された事項のほか、金融商品・サービスの販売・推奨等に係る重要な情報を
顧客が理解できるよう分かりやすく提供すべきである。

【顧客にふさわしいサービスの提供】
原則6.金融事業者は、顧客の資産状況、取引経験、知識及び取引目的・ニーズを
把握し、当該顧客にふさわしい金融商品・サービスの組成、販売・推奨等を行う
べきである。

【従業員に対する適切な動機づけの枠組み等】
原則7.金融事業者は、顧客の最善の利益を追求するための行動、顧客の公正な取
扱い、利益相反の適切な管理等を促進するように設計された報酬・業績評価体系、
従業員研修その他の適切な動機づけの枠組みや適切なガバナンス体制を整備す
べきである。

わざわざこう定めているということは、逆に言えば金融に関する知識を正しく伝えずに断片的に伝えることにより、相談者の利益ではなく、FP自身又は保険会社の利益を優先することができてしまう仕事だからです。

私が普段行っている保険・積立見直し相談ではもちろんこれらに則って適切に業務を行うように努めておりますが、この原則に反するような業者が多くいるのも残念ながら事実です。
オフショア保険は良くも悪くも金融庁による規制外であり、弊社を含む国外を拠点とする業者も何ら規制・指導を受けることがありません。
自由である資本主義社会においてそれ自体は当たり前のことですが、良い業者も悪い業者も同じように存在する業界だということをご理解頂く必要があると思います。

オフショア保険の分類(生命保険タイプ VS 重病保険タイプ VS ファンドリンク型)を知る

オフショア保険と一言で言っても、その言葉は「日本国外の保険」という意味ですので、とても沢山の種類の商品が玉石混交であります。
それらの商品の中で「これは契約しないほうが良いんだけどな」と思う商品の情報が、一番沢山料として存在していると思っています。
逆に言えば、海外の生命保険の情報の半分以上は、私なら契約しない情報なんですよね、残念ながら。
(紹介者のコミッションが高い商品、ということですね)

ここでは簡単にどんなタイプの商品があるのかをお伝えします。
今検討している商品等、質問いただければ個別にお答えもできますので気軽に連絡ください。

生命保険タイプ

生命保険タイプは毎月(または年払い)積立を行い、資産が運用されていき、2年積み立ての場合は6~8年目、5年積み立ての場合は7~10年目頃に解約返戻金(≒リターン)が拠出額(積立額)を超え、その後増え続けていくという商品です。

もちろん、生命保険という形式をとっているため死亡時には拠出額や解約返戻金よりも大きい死亡保険金を受け取ることができます。

生命保険タイプは種類も多く、解約返戻金重視の商品(より積み立て性向)もあれば、死亡保険金重視の商品(積み立てよりも保険性向)もありますので、保険加入の目的に沿って選べばよいかと思います。

10年後~小世代、孫世代にむけて資産を増やしたい場合で有効であり、保険という名称ですが積み立てを目的とした商品が多く、「学資保険」や「年金」の代わりにも活用可能です。

重病保険タイプ

従業保険タイプも毎月(または年払い)積立を行い、資産が運用されていき、2年積み立ての場合は6~8年目、5年積み立ての場合は7~10年目頃に解約返戻金(≒リターン)が拠出額(積立額)を超え、その後増え続けていくという商品です。

保険会社が指定する重病(がんなどを含む100種類以上の病気)に罹患した場合に保険金を受け取ることができます。

日本のがん保険とにているのですが、違いは以下のとおりです。

  • 日本のよくあるがん保険とは違い、異なる症状であれば2度目以降でも保険金がもらえる
  • 日本のよくあるがん保険よりも保険対象の病気が多い
  • 日本のよくあるがん保険よりよりも解約返戻金が多い

生命保険タイプの「保険」を病気の保険にしたものであり、解約時の解約返戻金は病気などで保険金を請求している場合は一部控除されて支払われます。

生命保険タイプと同じく、積み立てが終わってから数年間は解約返戻金がマイナスの期間がありますが、10年、20年と経過することによって解約返戻金が増え続けていきます。

ファンドリンク型(セミナー等では生命保険となっている場合もある)

おすすめしないのが「ファンドリンク型」と呼ばれる商品です。

毎月で積み立てていくことは変わらないのですが、運用手数料や初期ユニット手数料など、手数料体系がとても細かく(かつ複雑に)定められていることと、実際の投資対象のファンドを指示できる(=保険会社がファンド選定するのではない)というのが特徴です。

一見、上の2つのタイプに比べるとブラックボックスがなくしっかり計算ができる人ほどこの商品を選んでしまいがちなのですが、一番のネックは「保険会社がファンド選定するのではない」ということ。

保険の契約を代理するIFAと呼ばれる業者や、紹介者がファンドを選定して運用していくことになるため、その運用指図者によって運用成績は良くも悪くもなります。
正直、投資セミナー等を行っている小規模の会社がファンドを組成して運用するよりも、香港などに存在する保険会社に全て任せたほうが運用成績は上がると思っています。

実際、私もこの種の契約を保有しておりますが、2019年頭現在10%のマイナスとなっています。

ファンドが選択可能なファンドリンク型商品の場合、想定利回りの説明がどうであろうと、その利回りを出すためのファンド選定はお客様自身、又は紹介者に委ねられてしまうのです。
世界中のトレーダーが跋扈する世界の金融業界の中で、利回りの大きい商品を見極めて投資できる自信のある方以外は避けることをおすすめしています。

正しく知って、正しく増やそう

オフショア保険は本来は素晴らしい商品であるのにもかかわらず、情報が断片的だったり、顧客本位ではない業者が多かったりと「騙される』ハードルがあるのも事実です。
私自身はオフショア保険を活用して養育資金や老後資金を準備できていますし、私の周りでも適切な契約をした人は投資の効果を得られています。

↓最新の香港オフショア生命保険の詳細を別記事で紹介しているので、興味のある方はご覧ください。

情報を正しく知り、自分にあったカタチで正しく活用できる人が一人でも増えればと思いこの記事を執筆しました。

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