新型コロナウイルスが世界中で猛威を奮っていますね。
いろいろな人がいろいろな意見を発信しており、もはや何を信じればよいのかわからないような状態になっています。
その一方で、特定の意見に固辞して分断が起きているようにも思えます。
今実際に何が起きていて、これからどうなっていくのか・・・。
不安は付きないですが、この記事を読めば自分がするべきこと、考えるべきことがわかると思います。
コロナウイルスによる世界への影響をできるだけ客観的にわかりやすくお伝えします。
サクッと読める目次
コロナの影響で今起こっていること
改めて説明するまでもないかとは思いますが今、私達の周りでどのようなことが起きているのでしょうか。
コロナの影響を取り上げて「やばい、どうしよう」と不安の共感を広げるのではなく、客観的に見ていきます。
経済面での悲鳴
飲食店やライブハウスが署名活動をしているという報道があるように、経済面での悲鳴がたくさん出てきています。
実は私も海外と日本をつなぐ事業をしているため、国境が閉鎖されたことによってとても大きな売上を失ってしまいました。
報道されている業種だけでなく、観光業やフリーランスのカメラマン、旅行ライター、などなどとてもたくさんの業界に影響が出ている事態となっています。
一部の業種では署名活等を行うなどして政府に意見を伝えようとしているようですが、正直ほぼ全業種に影響が出ているので特定の業種を助けるような動きにはならないのではないかと思います。
後述しますが、日本政府は売上が下がった中小企業や個人事業主(フリーランス)への支援や、休業した会社に対する給付など業種に関わらず、しかし業績が下がった会社への支援策をしっかりと打ち出してくれています。
外出自粛など生活が変わった
経済界への影響と表裏一体ですが、生活面に影響が出ています。
東京都などの大都市では外出自粛要請が出されており、実際に日を追うごとに外を歩く人の数は減っているようです。
私も久しぶりに日本に滞在することになりましたが、ほとんど人とは会わずに自宅で生活しています。
飲み会や花見、そして入学式のような行事までが減ってきており人と人が顔を合わせることが非常にやりにくくなってきています。
逆に「巣ごもり消費」とされる家の中での娯楽産業や遠隔教育産業は活気づいており、家から出ずに生活を送るように皆が変化していっています。
コロナウイルスの影響はどうなっていくのか
そんな現状があり、このまま行くとどうなっていくのでしょうか。
私は感染症や医学の専門家では決してないので、今あるデータの中からわかりやすいと思ったものを紹介して私なりに解説をしてみます。
何が起こるかを不安がっても仕方がない
主に海外に住んでいる日本人を中心に以下のような声が上がっているように思えます。
- 欧米諸国のように「ロックダウン」してしまうのではないか!?
- 日本ももっと強く対策したほうがいいのではないか!
しかし、そんなふうに恐怖を煽ったり、日本政府の対策について指摘をしたところで何の意味もありません。
もっといえば「ロックダウン」という言葉の定義をそもそも正しく使っていない人が多く、実際に今も「外出禁止」と報道されている国においても買い物等による外出は許されているところも多くあります。
情報に惑わされずに、自分ができること、するべきことに集中する以外、正直専門家でもない私たちが諸外国と比べたりしても仕方ないのではないでしょうか。
少なくとも、感染症に関する法律や総理大臣の権限、非常事態宣言においてできるようになることなど、ある程度法律面を調べてからでないと「法治国家である日本において不可能なこと」をなぜやらないのかと発言してしまうこととなり、無知をさらけ出していることにしかならないのではないでしょうか。
独裁国家や国家元首の権限が強い国家、国民の権利を制限できる国家が感染症対策に強いことが今回わかりましたが、だからといって「日本もそうするべきだ」というのはもっと大きな政治の話として将来議論すれば良いことです。
今後感染者数はどう推移するのか?欧米諸国を後追いするのか?を事実から見てみる
私は3週間ほど前にロンドンにいました。
「コロナウイルスがヤバいらしいよ」という空気がやっとでき始めてきたものの、まだまだロンドン市民は街を歩いていました。
その3週間後、現在のロンドンは公共交通機関の運行が減り、首相自ら「数万人の死者が出る可能性がある(意訳)」「命を守るために外出しないでください」と情報を発信して今は全力で感染拡大防止に努めていますが、毎日数百人の死者が出ている状況です。
では、日本はこうなるのでしょうか?
そこについては、正直誰もわからないのではないかと思います。
日本は3月下旬まで感染者数の増加をとても低く抑えることに成功していました。
しかし、ここ1週間ほどで一気に感染者の増加スピードが変わりました。
Worldometersというウェブサイトからグラフを引用しましたが、3月下旬からグラフの角度が変わっており、このあたりから外出自粛要請が強く出されるようになりました。
ニュースを見ていてもわかりにくいかもしれないのですが、日本は感染症の専門家の助言のもとである程度適切な対応をしていると考えてきます。
法治国家である日本において「外出自粛を強く求める」という言葉は、政府から国民への最大限の強いメッセージではないでしょうか。
このグラフを見て「欧米のように増えていくのでは」と思う方も多いかもしれません。
しかし、こちらのグラフを見るとどうでしょうか。
これはUCL(University College London)というロンドンの大学のウェブサイトで公開されているグラフです。
縦軸が対数軸になっており一見わかりにくいのですが、このグラフの傾きが感染者の増加率を表しています。
これを見ると、ほとんどの国はまずいちばん急な点線(35% daily increase:毎日35%増加)の角度で感染者が増えていき、その後感染者数がかなり増えたところで増加が少なくなっていくというグラフを描いています。
その一方でこのグラフの中で8.5%の線に沿っている国が一つだけあり、それが日本です。
なぜ増加率が低いのか、UCLの見解にはこう書かれています。(原文は英語ですがDeepLで翻訳したものです。)
日本は長い間謎に包まれていて、1日あたり8.5%という非常に安定した成長率を何週間も続けてきましたが、2週間後にはさらに低下し、最後の数日で大きく反発しました。そこでの初期の措置が、上昇率の抑制にはある程度効果があったと思われますが、指数関数的な成長を完全に回避するには十分ではありません。日本の歴史的な数字が正確ではなかったのではないかという議論もありますが、日本のカーブは常に異常な異常値であることに注意する以外には、この点についての推測はしません。
つまり、原因はわからない、謎だという見解です。
このグラフが今後他の国と同じような急角度になるのかどうかで欧米のような医療崩壊に発展するかどうかが決まるのですが、それを抑えるために「外出自粛」が行われており、国民一人ひとりがどう行動するかにかかっているのが現状だと思います。
今感染が抑えられている原因は様々な人が様々な説を唱えていますが、正確にはよくわかっていません。
しかし、その状態を続けられるかどうかは国民一人ひとりの行動にかかっており、だからこそ未来予測ができないのです。
一人ひとりが「三密」を避ける「社会隔離」が重要
3つの密、すなわち
- 密閉空間:換気がされていない
- 密集場所:人口密度が高い
- 密接場面:近い距離で声を出す
が揃わないように注意するように言われていますが、これはこの3つの条件が全て揃った場合に感染が起きることが明らかになったからです。
この3つの密が揃った場合に人から人へと感染するとして、移動をしないことがどのくらい重要なのかは社会隔離のシミュレーションを見れば明らかです。
「コロナウイルスなどのアウトブレイクは、なぜ急速に拡大し、どのように「曲線を平らにする」ことができるのか - Washington Post」という記事を開くと上のようなシミュレーションが動きます。
- 移動が自由な場合
- 国境を閉じた場合(一部の人は移動する)
- 4分の1の人が移動をやめた場合
- 8分の1の人が移動をやめた場合
の4パターンのシミュレーションがあります。
これを見ると、動く人の数が変わるだけでこんなにも感染が抑えられるのか、と驚く思いでした。
このシミュレーションでは「人と人がぶつかると感染する」というモデルになっていますが、現実社会では「3つの密が揃うと感染する」と考えれば良いでしょう。
外出自粛とか本当に効果あるの?と思っている人も多いかもしれません。
そんな方はぜひ一度このシミュレーションを見て、移動しないことがいかに重要かを考えてみて欲しいです。
余談:なぜ強い対策ができないのかを考えてみる
これは余談ですが、以下のような批判の声をいろいろなところで目にします。
- オリンピックはもっと早く中止すべきだった!
- 移動制限を何故かけないのか
- 海外からの帰国を制限せよ
実際に、全世界が同時に3週間人々の移動を完全にストップさせることができれば理論上感染は消えるはずです。
しかし、中国が武漢を閉鎖したときに我々は「中国は感染がひどいからできるんだ」「日本は大丈夫だろう」とまるで他人事だったように思えます。
2ヶ月前のヨーロッパも「中国や日本のアジアだけだろう」と思っており、ロンドン市長候補も「東京がオリンピック開催不可であれば我々が開催できる」と言っていました。
今もイタリアやスペインでは数多くの人が亡くなっているにも関わらず、日本ではまだ自分ごとに捉えていない人が多いのではないでしょうか。
さらにいえば日本でもコロナウイルスで亡くなっている方がいますが「自分は大丈夫」と思っている人が多いと思います。
いま、以下のような2つの未来が想像できるとして、あなたは、又は政治家はどう動くでしょうか?
- 無策で10万人の死者
- 経済に制限をかけて1万人の死者
この2つの未来があったとして、もし前者の未来が起こった場合は「疫病だから仕方ない」と皆が思うことでしょう。
生活ができなくなるのは困るから、と経済活動を止めずに多くの人が外出を続けているとこちらの未来に近づいていきます。
政府を批判する声は一部上がるでしょうが、誰かのせいで、沢山の人が死んだ。そういう世論にはなりにくと思います。
では後者の未来になったらどうでしょうか。休業させられた経営者や解雇された労働者から「政府は補償せよ」「生活ができない」という批判が政府にあがるでしょう。その決定を下した政治家は、結果的には9万人もの命を救うことになったにもかかわらず、次の選挙では落選するでしょう。
既得権益と新産業の攻防でも「既得権益のほうが従事者が多く、票に繋がるから守られる」ということが起こりますが、この新型コロナウイルス対策でもそれぞれの人が部分最適、つまり自分にとって最善の対応を取ることによって全体としては最適にならないということが起きているのではないかと思います。
ところで、私がビジネスの拠点をおいているベトナムでは「この戦いに国民一眼となって勝とう」という首相メッセージが全国民に送られ、国民全員が補償もなしに休業しています。民主主義国家ではないので政府に対して意見が言えないという事情もあるとは思いますが、強い政府、そして部分最適ではなく国一丸となる愛国心は見習うところがあるのかもしれません。
今を生きる私達ができること
ちょっと長くなってしまいましたが、ここからがこの記事で一番お伝えしたいことです。
そんな変革点にいる私達はどうすればいいのでしょうか?
変化というのは捉え方によってはピンチとなりますが、うまく捉えることができればチャンスになります。
日本は古くから外圧で大きく進化してきた国だと感じていて、今回の新型コロナウイルスも日本を大きく前に進ませる原動力のある外圧だと捉えることはできるのではないでしょうか。
日本政府の経済支援をちゃんと知り、利用しよう
まず、経済的に困っている方々は日本政府の支援策を調べて、利用しましょう。
企業で働いている方々は、このような企業支援策が実際に行われていることを知るだけでも安心に繋がります。
正直なところ経済産業省のページに行っても膨大な支援策が一覧になっているだけでとてもわかりにくいのですが、少なくとも以下の支援策はすぐにでも検討できると思います。
まず1つは破格の条件で融資が受けられるということ。
企業もしくは個人事業主(フリーランス)で売上が一定(15%等)下がった方であれば、ほぼ無利子でお金を借りることができます。
しかも、借り入れに際する審査もとても緩和されており、赤字の会社でも借り入れが可能になっていると聞きます。
とりあえず、以下の3つの銀行に申請をするようにしましょう。
- 日本政策金融公庫(政策公庫):新型コロナウイルス感染症特別貸付
- 商工組合中央金庫(商工中金):新型コロナウイルス感染症に関する特別相談窓口
- 取引のある銀行(あれば)
政策公庫と商工中金は政府が設立した国策金融機関ということもあり、今まで全く取引のなかった会社や個人に対しても貸付をしてくれるのが特徴です。
電話や窓口は混雑していることが予想されますが、上にリンクをしたそれぞれのページを見れば必要な書類がわかりやすく記載されています。
たくさんの書類は要求されておらず、しっかりと毎年経理を行っていれば問題なく準備ができる必要最低限の書類で良さそうです。
もう一つは、雇用調整助成金というもの。
これは、企業が休業した場合において従業員に対する休業手当の9割を助成するという制度です。
こちらは事業を休業しないと受けられないため、売上が減っても営業するのか、それとも休業するのかの判断は必要です。
休業した場合人件費は削減できますが、家賃等は変わらずかかるケースが多いと思うので、会社により判断は別れるとは思います。
そして、給付金も検討されています。
給付金の条件は報道によるとまだ固まっていないようですが、本当に困っている人はある程度救済されるのではないかと思います。
ただ、ここで重要なのは「新型コロナウイルス以前の生活が完全に保証されるわけではない」ということです。
今回の新型コロナウイルスはもはや戦争のような甚大な被害をもたらすものであり、もともとの生活を保証することはどこの国の政府にも不可能です。
ある程度生活レベルが下がってしむのは政府のせいでもなく、そのような社会情勢なのである程度は受け入れるしかありません。
日本政府ももちろん国際を発行するなどして頑張って予算を殖やすとは思いますが、その限られた予算の中でどうバランスよく給付していくかをいま考えているのだと思います。
コロナウイルスと一緒に生きる世界が来る
これは非常に残念なことなのですが、今までの時代はもう戻ってこないと考えています。
新型コロナウイルスの影響1ヶ月位耐えていれば元通りに戻る、というレベルではないことがわかってきました。
産業革命によって新しい産業が生まれたように、
IT革命によって新しい産業が生まれたように、
インターネット革命によって新しい産業が生まれたように、
世界を大きく変えてしまい、元には戻らないでしょう。
新しい産業が生まれたとき、多くの産業が消えてなくなってしまいました。
馬車は自動車に置き換わり、フィルムカメラはデジカメに置き換わり、電話はインターネット電話(LINE等)に置き換わりました。
そして、その変化は元に戻ることはありません。
現時点で専門家の方々が想定しているのは、新型コロナウイルスの感染が増えてきたら社会的距離をとるように行動を抑制し、収まってきたら行動制限をなくしていくという形が何度も何度も繰り返されて数年間続くというものだそうです。
インフルエンザが毎年流行するように、この新型コロナウイルスも私達人類にとっては毎年訪れるものになるかもしれません。
そして、ウイルスというものは変異するものなのでワクチンができたとしてもその後も戦い続けないといけないのです。
これは、インフルエンザが消滅しないことからも明らかです。
そうなると、あくまで可能性ですが、数年間移動の自由がない世界が続くかもしれません。
今までは
- リアルの場所に集まる
- 沢山の人が集まるのが繁盛店
- 人が集まる都会が魅力的
という価値観が一般的でした。
それが今や人が集まっている場所は感染の可能性が高いということでどんどん閉鎖しています。
ディズニーランドも閉鎖しています。
飲み会も、なかなか難しくなってくるかもしれません。
でも、よく考えてみればいつも飲み会に使っていた時間を、もっと価値観の合うメンバーとオンラインで話す時間に充てるようになったら素敵だと思いませんか。
今までは遠くにいるからなかなか会えないということがあったかもしれないのですが、きっとこれからはオンラインで集まる時代になってきます。
私も最近はオンラインのコミュニティの沢山の仲間とともにこれからのビジネスをどうしていくか、情報交換をしています。
日本中、どころか世界中にいるメンバーと一緒になれるのもこの時代ならではですね。
仕事もリモートが当たり前になるかもしれません。
そうなると大都市に住む必要もなくなり、もっと家族との時間を楽しめたり、大自然の中で子育てができたり、できることが一気に増えます。
もはやこれは大きなパラダイムチェンジと捉えて、どうやって新型コロナウイルスが普通に存在する世界で生きていくのかを考える必要があるのだと私は考えています。
そんな社会において、自分はどう生きていくのか。
外出自粛の今、それをゆっくり考えるための時間はたっぷりあります。
自宅で仕事ができるようになる人になる
いろいろなものがリモート化していく世界において、自宅で仕事ができるようになるのが大事ではないでしょうか。
私の周りにいる自宅でリモートワークしている人の声を聞くと、
- 急に子供や猫が入ってくる
- 切り替えが難しく集中できない
という意見がありました。
ということは、自宅でもしっかりと作業できる環境を整え、そして心を整えられる人がコロナ後の世界では活躍します。
私も今までは世界を旅しながら仕事をしてきましたが、この機会に自宅に仕事場をつくり、そしてオンラインでの情報発信を増やしていこうと思います。
今まではリアルで人が集まる研修講師をしていましたが、オンラインと両方できるように自分を進化させていく、そう決めました。
近日中にYouTubeデビューするので、楽しみにしていてください!