【目的別に徹底比較】iDeCo(個人型確定拠出年金)とNISA(少額投資非課税制度)・積立NISAってどっちがいいの?

長期的に積み立てながら、節税の恩恵も受けられるNISA(少額投資非課税制度)とiDeCo(個人型確定拠出年金)。

どちらも日本政府の投資奨励政策として誕生したものですが、どれも似ているようで全く違う制度です。

自分の人生プランをよく考えて選ばないと後で後悔する可能性もあるので、目的と制度を知ってから最適な制度を選びましょう。

サクッと読める目次

どれも運用益に対してかかる所得税20%が免税となる制度

大前提として、この3つの制度がなぜオイシイかというと、通常運用益には20%の所得税がかかるところが無税となるからです。

実は銀行口座の預金、定期預金、株式や投資信託の配当や譲渡益(売買で得た利益)に対しては一律20%の税金がかかることになっています。

普段の定期預金などで受け取る利息は既にこの税金が徴収された後の金額なので、意識している人は少ないかもしれません。

大きな金額を動かすとこの20%という税金は馬鹿にできなくなってくるものなのですが、そこで2014年から2018年にかけて登場したのがNISA、積立NISA、iDeCoなのです。

どれも運用益が非課税となる素晴らしい制度なのですが、それぞれの制度には特徴があるので1つづつ見ていきましょう。

年金目的に余剰資金を長期間積み立てる場合はiDeCo(個人型確定拠出年金)

iDeCoは個人型確定拠出年金とも呼ばれる制度で、その名の通り老後資金のために積み立てていくことを前提とした制度です。

投資対象は定期預金・保険・投資信託

投資対象は定期預金や投資信託の中から自由に選ぶことができますが、個別の株式に対して投資することはできません。

短期的なリターンを求めるのではなく、長期的にコツコツ積み立てていくという制度であるからこその制約です。

かなり保守的な人は定期預金を選択することもできますが、私がおすすめしているのはインデックス型の投資信託で全世界に分散投資を行うというものです。

60歳まで引き出しができない

iDeCoでは原則60歳まで引き出しができません。

これは人によってはメリットにもデメリットにもなります。

ついお金があると使ってしまう、、という方であれば60歳まで手を付けられない口座なのでうっかり使ってしまうこともなく、しっかりと老後の蓄えを残すことができます。

しかし、急にライフスタイルが変わりお金が必要になったような場合でも引き出すことができないので、デメリットと捉えることもできます。

人生設計がある程度見通せている人におすすめ

サラリーマンで定年まで勤め上げることがある程度見通せる場合や、転職などをしつつも定期的に収入があるであろう場合には最もおすすめなのがiDeCoです。

逆に、私もそうなのですがいつ収入がなくなるかわからない会社経営者や、急にお金が必要になるかもしれないような場合は、60歳まで引き出すことのできないiDeCoでは、お金が必要なときに困ってしまいます。

子供の養育資金や、親の介護資金など60歳になる前に必要となるお金を積み立てたい場合は、後述する積み立てNISAをおすすめします。

長期的な資産形成をしつつ、柔軟性も持たせたい場合は積立NISA

積立NISAは、NISA(後述)の積立専用バージョンといった制度で最長20年間の中・長期に渡って資産を形成するための制度です。

投資対象は投資信託

投資対象は投資信託の中から自由に選ぶことができますが、定期預金や個別の株式に対して投資することはできません。

短期的なリターンを求めるのではなく、長期的にコツコツ積み立てていくという制度であるからこその制約です。

かなり保守的な人は定期預金を選択することもできますが、私がおすすめしているのはインデックス型の投資信託で全世界に分散投資を行うというものです。

いつでも引き出し可能

積立NISAは最長20年間の積立が可能です。

20年間経過後はその時点での運用益を非課税として確定し、その後運用を続けることも可能です。

また、いつでも引き出すことができるので急な資金需要に対応することもできますし、10年間の積立なども自由に設計することができます。

逆に言えばついつい使ってしまう人は引き出して使ってしまう危険があるので、計画的に使っていくことも重要です。

中期的な資金需要や、人生を見通しにくい場合におすすめ

積立NISAは5年~20年といった中期的な資金需要に対応することができます。

お子さんの養育費用、親御さんの介護費用、自分の進学費用、新しい環境への挑戦費用、使わなければそのまま老後資金へと柔軟に対応できます。

今の時代に最もあった制度が積立NISAだと考えています。

個別の株式にガンガン投資していきたい場合はNISA

NISAはこの3制度の中で最も早期の2014年に誕生した制度で、どちらかといえば短期的な利益を求める制度です。

投資対象は投資信託・個別株式

投資対象は投資信託の他、個別の株式にも投資をすることができます。

先に紹介したiDeCoや積立NISAが長期的な積立による資産形成を目的としているのに対して、より短期で利益を追求するような性格です。

逆に言えば、コツコツ積み立てるよりもハイリスク・ハイリターンなので株式などに詳しい人向けの制度ともいえます。

制度が使えるのは1年間+4年間の合計5年間のみ

2023年まで毎年120万円まで与えられる投資枠の範囲内で購入を行い、その後5年間の利益に対する税金が無税となります。

購入してから売却までの期間は、免税メリットを享受するためには最長5年となり、長期的な保有には向きません。

また、120万円の購入枠も一度使ったら戻ることはないため、よく計画して購入を行うことが必要です。

アクティブに投資をしたい場合におすすめ

NISAは3つの制度の中で一番わかりにくく、また一番ハイリスク・ハイリターンなので株式や投資信託の売買にかなり慣れている人向けの制度と言えるでしょう。

これから投資を始めようかな、と思っている方や、私のように長期的に資産を形成していきたい場合はおすすめできません。

「ちょっと株とか始めてみようかな・・・・」などと思っている場合は、挑戦してみても良いかもしれませんが損失が出る可能性もあるので余剰資金で行うようにしましょう。

私のおすすめは積立NISAとiDeCoの併用

この3つの制度の中からどれを選べばいいんだろう、と迷っている方へ、私のおすすめは積立NISAとiDeCoを併用することです。

え、併用できるの?と思った方もいるかも知れませんが、

  • NISAとiDeCo
  • 積立NISAとiDeCo

は併用可能です。NISAと積立NISAは、どちらか1つしか使うことができません。

現代のような不透明な時代では、まず積立NISAから初めてみることをおすすめします。

人生の何処かで大学院に行きたくなるかもしれないですし、親の介護でお金が必要になるかもしれません。

そんな不測な事態にもしっかり備えることができるのは、いつでも引き出し可能な積立NISAです。

積立NISAで不測の事態に対処できるお金ができたら、iDeCoで老後資金を形成していきましょう。

海外在住であれば、香港のオフショア保険で生命保険もかねて積み立てていくのもアリです。

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